アマビエとは…

公開日:2020年3月8日

インターネット上で最近、ある妖怪を見かけました。
その名は「アマビエ」
最初「アマエビ」と読んでしまい、エビの怨念がこもった?妖怪かしらと思っていましたが、違いました。

1846年に肥後国(現在の熊本県)に現れ、「流行病が流行ったら、人々に私の写しを見せるように」と言った旨が、当時の瓦版で残っているようです。
【流行病が流行ったら…】
なるほど、このことから、現在、いろんな人がアマビエにまつわる作品(イラストなど)を公開しているのだと知りました。

アマビエに関する資料を佐土原図書館で探してみました。
広辞苑(第七版)、新明解国語辞典(第七版)、学研現代新国語辞典(改訂第6版)には記載はありませんでした。
佐土原図書館の「36伝説」コーナーを中心に、以下の資料でアマビエの記載が見つかりました。
珍しい妖怪(幻獣)のようで、アマビエの情報を含む資料は多くありませんでした。

『47都道府県・妖怪伝承百科』小松和彦 他・編
資料コード:001717677
P281に一文で紹介(アマビエの情報は少なめ)
日本全国の主な妖怪伝承を紹介しているので、同じ妖怪を各地で読み比べたりなどもできます。

『妖怪あつめ』湯本豪一・著
資料コード:000338152
P100~
民俗学者・妖怪研究家である湯本さんとアマビエの関係(?)が詳細に記されています。アマビエと類似の妖怪も紹介。

日本妖怪学大全』小松和彦・編
資料コード:000654541
P103~
湯本豪一さんによるアマビコ(アマビエを含む)研究論文が収録されています。

『妖怪事典』村上健司・著
資料コード:000549881
P23

『ときめく妖怪図鑑』東雅夫・監修
資料コード:001660034
P74
かわいらしいアマビエのイラストが掲載されています。

『日本妖怪学大全』に掲載されているアマビエの瓦版を見てみると、「見せるように」と書いてあるだけで「見せたらどうなるか?」までは記載がないようです。
アマビエと類似の妖怪と考えられる「アマビコ」では、当時の記事に「その姿(絵)を見ることで災難や疫病を免れる」と言う記載が残っているようなので、アマビエも瓦版に記載は無いにしてもそういうこと(疫病を免れる)なのだろう、ということでしょうか。
アマビエ作品の元となっている瓦版の絵も絶妙なゆるキャラ具合なので、そこも皆さん描きやすいところなのかな、と思いました。

佐土原図書館も感染症拡大防止のための臨時休館で、ご迷惑をおかけいたしております。
少しでも早い収束を願って、アマビエとアマビコを描いてみました。

アマビエとアマビコ
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